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自作系オーディオにチャレンジ Vol.8 / 自作スピーカーの音工房ZのZ1-Livornoを買いました

自作系オーディオにチャレンジ Vol.8 / 自作スピーカーの音工房ZのZ1-Livornoを買いました

自作スピーカーを作ってみたい…という企画のBlogを書いていましたが、いろんな事情があっていつの間にか1年以上時間が経過しました。
その間オーディオ熱が冷めたわけでは無いんですけどね。

前回の安くて面白い、自作系オーディオにチャレンジ Vol.7の最後のほうに「まあ、最近はスピーカーよりもバイクとかが気になっているところなのはここだけの話ですが。笑」と記載があるように、まだこのBlogには登場させていませんが、バイクを買って乗ったりしています。笑

さて、うちのデスクトップオーディオ環境でいうと、スピーカーよりまずアンプをTEAC AI-301DA-SPからAIRBOW – AI301 Special Ver.2にアップグレードしました。

詳しくは上記リンクを見てもらえればと思うのですが、AIRBOW – AI301 Special Ver.2は見た目は4~5万円のTEAC製のコンパクトなUSB-DAC内蔵アンプですが、大阪の有名なオーディオショップ逸品館の手によって中身がバッチリ改造されていて、30万円クラスのアンプに匹敵する性能があります。

そしてスピーカーですね。

これも前回の安くて面白い、自作系オーディオにチャレンジ Vol.7に書いてあるとおり、今使っているのは、B&Wというメーカーのとても小さくて結構古いエントリー向けのスピーカーLM1です。

オーディオマニアの方からしてみれば、鼻で笑うようなスピーカーだとは思うのですが、このサイズで、かなり古い初級モデルのわりにはそこそこの音質です。
B&W LM-1
オーディオの足跡 B&W LM1

なので、下手なスピーカーに買い替えたところでそんなに満足は高くならないかなっと。
新しいスピーカーを導入するには、かなり吟味が必要だったのです。

今回はデスクトップ上で使う、とてもコンパクトなシステムを考えていますから、あまり大きなスピーカーはNGです。

候補としては、
音工房Z Z1-Livorno 54,800円
Sonus Faber LUMINA 1 108,900円
B&W 607S2 Anniversary Edition 110,000円
KEF Q350 79,200円 or Q150 66,000円
ぐらいだったのですが、円安やコロナの影響もあって、商品は全般的に品薄状態、値段は下がらないどころか、値上げするという話もあるぐらい、輸入スピーカーにとっては逆風が吹いています。

せっかくだから値段も1番安いし、一度は自作の組み立てスピーカーを自分で作ってみたいな…ということで音工房Z Z1-Livorno 54,800円を買いました。

音工房ZのZ1-Livornoは、イギリスの高級スピーカーメーカーB&W(Bowers & Wilkins/バウワース アンド ウィルキンス)のブックシェルフ型の805シリーズをベンチマークとしてチューニングし、ブラインドテストを重ねて作られています。

こちらに詳しい開発経緯が載っていますが、B&W Nautilus 805を徹底して構造を調べ、周波数特性などをチェックしています。

Nautilus 805は20年以上前の古いスピーカーですが、その性能はまだまだ一級品で、その辺の現代のスピーカーには負けていないと思います。

また、Z1-Livorno開発当時の最新モデルのB&W 805D3ともブラインドテストしても負けてはいないとのこと。
(2022年6月現在で最新のB&Wの最上位ブックシェルフスピーカーは805D4)

2回ほど音工房Z本社で開催された視聴会に参加したことがあって、その視聴会ではB&W Nautilus 805とZ1-Livornoの比較はできなかったのですが、Z1-Livorno単体の音は聞いていて、値段のわりにはなかなかハイレベルだった印象を持っていました。

ただ、このB&W 805シリーズなんですが、確かに良いスピーカーだとは思うのですが、特に最近のモデルはあまりにも高価な気がします。

B&W Nautilus 805 330,000円 (1998年10月発売)
B&W 805S 363,000円 (2005年5月発売)
B&W 805 Diamond 616,000円 (2010年4月発売)
B&W 805D3 880,000円 (2015年10年発売)
B&W 805D4 1,078,000円 (2021年10月発売)
※ペア価格 消費税10%計算

Z1-Livornoはキットモデルと完成品の両方がありますが、自分はキットモデルを選んだので、エンクロージャーは自分で組み立てて、内部の回路ははんだ付けをして、色も塗らなければなりません。
やっぱり面倒だなーと思いつつも、まあ、一度トライしてみようかと。

自分で作るだけあって、必要な工具も色々とあります。
・クランプ
○ドライバー
○六角レンチ(4mm)
○ニッパー/ペンチ
○カッターナイフ
マスキングテープ(3M 塗装用マスキングテープ M40J-12)
粘着テープ(日東 アセテート粘着テープ NO.5 19mmX20m 黒 5-1920)
木工用ボンド(フランクリン タイトボンド)
○金槌/木槌
接着剤(コニシ ボンド ウルトラ多用途S・U クリヤー 10ml #04591)
半田ごて(白光(HAKKO) DASH セラミックヒーターはんだこて 15W B型こて先付き FX650-81)
はんだ(goot(グット) 音響部品用はんだ Φ1.2mm スズ60%/鉛40% ヤニ入り SD-65)
モンキーレンチ(KENOH モンキーレンチ 250mm)
○12mmレンチ
紙やすり(KAKURI 紙ヤスリMIXセット 12枚入(#80・#150・#240・#400×各3枚)
ハンドサンダー(sakazume ハンドサンダー クリップ式 木柄 70×200mm)
○ホビーのこぎり
○歯ブラシ
○爪楊枝
○台所用スポンジ
○ウェス(使い古したTシャツなどでもOK)
蜜蝋ワックス(ターナー色彩 アンティークワックス)
などですかね。

これだけ見ただけで、作るのがおっくうになるかもしれませんが、100円ショップで買えるものも多いので、ぼちぼち集めていきましょう。
100円ショップで買えるものは、○をつけておきました。

あとはAmazonで買えますね。

エンクロージャー(スピーカー本体)はボンドで接着して組み立てますが、このときにクランプという機材を使って圧着します。
クランプはホームセンターなどでも買えると思いますが、音工房Zの純正の自作式クランプZ203(2,980円)を購入して使うことにしました。

値段も手頃で、しっかりとスピーカーを固定して圧力をかけることができます。

それでは、作る工程の説明です。

ずっしりと重いダンボールが2つ宅配便で送られてきました。
ひとつがZ1-Livorno、もうひとつはクランプZ203です。
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開封すると、スピーカーユニットや吸音材などの部品がぎっしり。
無事に作れるのかな…これ。
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エンクロージャーは丁寧に梱包されています。
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スピーカーにはネットワークという部品が使われているのですが、これも自分で作る必要があるようです…。
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まずはボンドを使わずに「ダボ」と呼ばれる木でできた小片を接合面の両方に穴をあけて差し込んで、仮組みをしてみます。

エンクロージャーの木材には、フィンランドバーチというわりと高級な素材が使われているのですが、驚くほど切り出しの精度が高く、寸分の狂いもなく、ピッシリと組み上がります。

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これボンドとかで固定しなくても普通に音が出せるんじゃないかな?と思ったぐらいですね。
1日目は、仮組みをしてサイズ感をみてとりあえず終了です。

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2日目。さっそくボンドを使って箱を作っていきましょう。

説明書を見ながらスピーカーを組み立てていくわけですが、商品を購入した後に、組み立て方や注意事項、塗装のコツなどの様々な情報のPDFが閲覧できるメールが送られてきます。
転載不可なので内容はお見せできませんが、かなり組み立て方の詳細が記載されているので、特に迷うこと無く組み立てられます。

それでもわからなかったら、音工房Zに直接メールで問い合わせもできます。

接着面はかなりキレイではあるのですが、#180番程度のサンドペーパーをかけていきます。

サンドペーパーはハンドサンダーという、サンドペーパーを固定する器具があると作業が楽です。
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クランプを使って組み上げていきましょう。

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木工用ボンドはフランクリン タイトボンドを使いました。

これは強力で、しかもかなりの速乾性で15分ぐらいでほぼ固まるみたいです。

ボンドがはみ出してもいいように、マスキングテープで養生します。

その後、ボンドを接着面に塗って、タケベラで薄く伸ばします。

タケベラがなかった場合は歯ブラシでもいいとのことなので、自分は新品の歯ブラシを使ってボンドを伸ばしました。
というわけで、上下&側面を固定×2台分ということで、合計4回クランプを使ってエンクロージャーを圧着していきます。

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まずは箱が完成。ここまでで折り返し地点ってところでしょうかね。
多少ボンドがはみ出していますが、塗装前にヤスリがけをすることでほとんどキレイになります。
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1時間ぐらいしてボンドが乾いたかな?ってところで、今度は塗装用にすべての面を#240番程度のサンドペーパーがけをします。
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今回は塗料を使った塗装は行わずに、ターナー色彩 アンティークワックスという蜜蝋ワックスを使って色をつけてました。
蜜蝋ワックスは古くから自作オーディオファンの間ではわりとメジャーな着色方法らしいです。

というのも、自宅マンションの一室で作るため、匂いが蔓延するのも困りますし、乾燥に時間がかかるのも邪魔なのでNGです。

蜜蝋ワックスは、木にワックスを塗り込んで、15分乾燥させて、ウェスでふきあげるだけの簡単塗装です。
2回ぐらい繰り返して塗り込めばかなりキレイになります。

Z1-Livornoはフィンランドバーチという高級でキレイな木を使ったエンクロージャーなので、この素材感を活かしたいなと思いました。
なので、ホワイト色の蜜蝋ワックスのターナー色彩 アンティークワックス ホワイト AW120007を使い、2回塗りしました。

自宅にあった新品の台所用スポンジでワックスを適量とって、塗り込みます。

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使わなくなった布を使って、拭き上げて完成です。
うっすらですが、白っぽく塗装され、ツヤが出ました。
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ちなみに、ワックスとはいえ塗装成分が入っているので、手についたワックスは石鹸で洗ってもなかなか落ちません。
あまりオススメの方法ではありませんが、自分はZippoオイルを手に取って揉み込んで、キッチンペーパーで拭いて汚れを落としました。

後半戦はネットワークを作って配線をします。
久しぶりにはんだ付けを行いましたが、思っていたよりも難しくありませんでした。

ケーブルの皮膜をとって、コイルやコンデンサーとはんだ付けします。
シンプルな配線なので、慌てずに行えばそんなに問題はありませんが、正直面倒でしたねw

はんだは音響部品用はんだというものを使いました。

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重めのペンチを使って線を固定してはんだ付け…。
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慌てて断線させたり、ツイーターとウーファーを逆に配線してりしていないか、説明書と制作レポートPDFとよく読みながら作ります。
ツイーターとウーファーを逆につけると、ツイーターが破損します。
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ネットワークができあがったら、フロント部分のウーファーの穴からネットワークを入れて、後ろの端子を固定し、ネットワークを底面にネジ止めします。
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写真を取り忘れましたが、吸音材を中に折りたたんで入れて、ボンドで固定します。
あと、プラスチックでできたポートを取り付けます。

このポートが143mmあるのですが、33mmカットして110mmにして差し込むようです。
カットするのにのこぎりなどが必要なので、ここは最初から正しいサイズのポートを同梱してもらいたかったです。

最後の最後に、ツイーターとウーファーに取り付けるケーブルが逆でないかどうかよく確認します。

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ユニットをネジ止めして完成です。
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さっそくスピーカーアンプと接続して音出し。
アンプのボリュームを最小にして、恐る恐る音量あげてみます。

無事に音が出ました!
左右両方のスピーカーのツイーター、ウーファーから、ちゃんと音が鳴っています。

良かった!
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音の第一印象は「ボチボチいい感じ!」というところですかね。

Z1-Livornoを組み立てた先輩達のレビューを見ると、40~100時間程度のエージング…つまりならし運転をしないと本領発揮しないとのこと。

あと、120cm幅の机に27インチの4Kモニターが載っているのですが、思ったよりもスピーカーが大きい!www
ちなみに、バスレフポートが後方にあるので、本来であれば40~100cmぐらいスピーカーと壁を離したほうがいいのですが…。

そして、バナナプラグ端子が水平についており、いま使っているスピーカーケーブルがバナナプラグでなかなか曲がらないので、スピーカーを結構手前に配置せざるを得なくなっています。

なので、バナナプラグをYラグ端子に交換するか、もしくは一時的にですが、バナナプラグからYラグに変換できるパーツをつけようと思います。

あと、今回は蜜蝋ワックスを使って簡易塗装としましたが、もし今度作るとしたら、ピアノホワイトのようにツヤツヤの光沢のある白いスピーカーに仕上げてみたいですね。

・白色ペイント塗装1回目 → 5時間乾燥
・白色ペイント塗装2回目 → 5時間乾燥
・白色ペイント塗装3回目 → 5時間乾燥
・白色ペイント塗装4回目 → 12時間乾燥
・サンディングシーラー塗装1回目 → 3時間乾燥 → サンディング (#400)
・サンディングシーラー塗装2回目 → 3時間乾燥 → サンディング (#400)
・サンディングシーラー塗装3回目 → 3時間乾燥 → サンディング (#400)
・ウレタンニス塗装1回目 → 3時間乾燥
・ウレタンニス塗装2回目 → 3時間乾燥 → 軽くサンディング (#400)
・ウレタンニス塗装3回目 → 3時間乾燥
・ウレタンニス塗装4回目 → 3時間乾燥 → サンディング (#400~#1500)
・コンパウンド
とかやるらしく、ちょっと気が遠くなる塗装工程が必要ですが…。

うちのリビングにあるブックシェルフスピーカー WHARFEDALE DIAMOND 11.2のような色にしたいんですよね…。
ブックシェルフスピーカー WHARFEDALE DIAMOND 11.2 を調達しました

Z1-Livornoは予想以上にサイズが大きかったのが誤算ですが、今のところ音質には満足しています。
ここからどれぐらい成長してくれるかが楽しみですね。

いまのところ100万円するB&W 805D3と勝負ができる音質…かどうかはわかりませんが、以前に使っていたB&W CM1よりは良いと思います。
直接比較しているわけではないですが、現行モデルだとB&W 707 S2(150,000円)を超えて705 S2(320,000円)ぐらいのレベルかな…と。

サイズと音色、バスレフが底面に配置されているソナス・ファベールのLumina1も良かったかなーとも思いますが、まあ、しばらくはZ1-Livornoで音楽を楽しみたいと思います。

ちょっと落ち着いたらスーパーツイーターでもつけてみるかなー?

自作スピーカーはちょっと作るのに手間暇がかかりますが、音工房Zのスピーカーであれば、そこまで作るのも難しくありませんし、完成したら愛着もわくし、音質も思ったよりいいですし、内部構造の理解も進みますのでオススメです!

安くて面白い、自作系オーディオにチャレンジ Vol.4

さて、前回の続きです。

自作スピーカーメーカーである音工房ZZ701-OMMF4(39,800円)やZ1-Livorno(54,800円)は、思ったよりも完成度が高く音質も良かったので、自作スピーカーもアリだなと考えるようになりました。

Z701-OMMF4はすでに完売となっているので、買うとしたら、2ウェイでわりと手頃なZ1-Livornoが良いかなっと思っています。

しかし、自分で組み立てるとは言え、これらのスピーカーは、まあ既製品と呼べるでしょう。

確かに音質の良さは保証されていますが、自分でスピーカーを組み立てるものの、単に組み立てタイプのスピーカーをお値打ちに買って、説明書どおりに作って楽しむ…ということにしか他なりません。

せっかくなので世の中にないモノを作ってみたいですよね。

最初の思想のとおり、
「値段が高くて音が良いっていうのは当たり前だから、如何に値段を抑えつつ、どれだけ良い音が再生できるかやってみよう」
というところを目指したいと思います。

音工房Zのメルマガや、Youtubeでも有名な創造の館 音楽苦楽部などでも「アンプによる音質は、値段によってそこまで差が無い」と言っています。
創造の館 Technical Report Youtube

まあ、安くて面白い、自作系オーディオにチャレンジ Vol.1で書いていたDigiFi 13号付録のUSB DAC搭載デジタルアンプは音質はそう悪くはないのですが、やはりUSB接続+キャパシタという構成上、ある程度以上の音量は出せないので、USBでの電力供給ではなく、ちゃんとした電源を使うアンプを使うことにします。

以前にAmazonでわりと売れているBluetooth 5.0内蔵の中華アンプを買って使ってみたのですが、正直これはポンコツでした。

この中華アンプが使い物にならなかったので、TEAC AI-301DA-SPを買ったわけですが、如何に値段を抑えるかというところでいうと「35,000円もするTEACのアンプはちょっと贅沢すぎる…」という結論になります。
ハイレゾ対応のBluetoothアンプ、TEAC AI-301DA-SPを買いました

そのため、値段と性能のバランスを考えた結果、ノースフラットジャパンの「FX-AUDIO-」というブランドのアンプを使うことにしました。

AV Watchの記事「数千円のアンプでも音は良いのか? 小さくても迫力サウンド「FX-AUDIO-」」などを参考に読んでみたりしてもらえれば理解しやすいと思いますが、Designed by North Flat Japan in Osaka Japan, Assembled in Chinaって感じで、安い割には中身にはこだわっていて、なかなか良さそうなアンプです。

選定した機種はFX-AUDIO- YD-202Jというモデル。
YAMAHA製YDA138デジタルアンプICx2基のデュアルモノラル駆動のステレオアンプで、USB DAC(最大16bit 44.1kHz/48kHz)を搭載。
最大出力は20Wx2ch(@4Ω)で、入力はRCA/3.5mm/USBの3系統。

リモコンもついて6,480円。

ACアダプタは1,480円で別売りですが、それでも合計8,000円程度で買えます。

DACを別売りのハイレゾ対応DACアップグレードモジュール(2,130円)と交換すると、16bit/192kHz、24bit/96kHzのUSB入力でのハイレゾも聴けるようになります。

つまり、ハイレゾ対応のUSB DAC付きデジタルアンプが10,000円ってところです。

こいつに組み合わせるケーブルは、ソコソコで良いので、
エレコム USBケーブル 2m オーディオ用 音楽用 USB2.0(A to B) 金メッキコネクター採用 ネイビー DH-AB20
エレコム オーディオケーブル ステレオミニ-ピンプラグ(L-R) 極細/金メッキ ブラック 2m DH-MWRN20
ベルデン(BELDEN) 8470 200円/m
ぐらいが目安ですかね。

プレイヤーはRaspberry Piでもいいのですが、誰にでも使えるってところを重要視して、Windows10パソコンにしたいと思います。

再生ソフトは、値段と性能のバランスから言えばフリーソフトのfoobar2000が最有力候補になります。

しかし、設定がやや難しいかもしれないので、ここはボクのイチオシ再生ソフトであるJRiver Media Centerも使うことを考えましょう。

有料ソフトではありますが、JRiver Media Centerのほうがfoobar2000より音質もいいですし。

さて、ここまでの値段は
USB DAC内蔵ハイレゾ対応デジタルアンプ 10,000円
USBケーブル 1,500円
RCAケーブル 300円
スピーカーケーブル 200円/m
プレイヤー(JRiver Media Player) 6,500円
って感じですね。

とりあえず、これらは購入して用意しました。

なるべく音質に妥協はしたくありませんが、多大なお金をかけるのはNGです。
スピーカー込みで合計50,000円ぐらいのシステムには抑えたいところです。

良いスピーカーを構成する要素を考えると、

1. Fレンジ (周波数特性)
(高い音から低い音まで均一に再生できるか)

2. 能率 (ダイナミックレンジ(dB))
(どれくらい大きな音がでるか)

3. 立ち上がり・立下りの応答性・瞬発力 過渡特性(トランジェント)
(信号が入った(止まった)瞬間にユニットが応答するか)

4. 時間特性・位相
(各ユニットの音が出るタイミングが一致しているか)

5. 低歪・高分解能 (分解能)
(音がぼやけずに、楽器のひとつひとつが分離するか)

6. 音像定位の良さ (定位)
(演奏されている楽器の位置関係、大きさが分かるか)

7. 聴きつかれしない
(長時間聞いても疲れないか)

などになるかと思います。
まだ要素はまだ整理中ですが、まあ、こんな感じでしょうね。

スピーカーの値段はまだ計算していませんが、デスクトップパソコンに合ったスピーカーを作ってみたいと思います。

デスクトップということはブックシェルフスピーカーになりますが、机に乗るサイズ感であれば、やはりB&Wの805D3(ペア90万円)ぐらいがリファレンスモデルになりますかね。

音工房ZのZ1-Livorno(54,800円)は、ブラインドテストをした結果、B&WのNautilus805や最新の805D3にも負けず劣らずの高音質とのことです。

なので、今回のスピーカーはZ1-Livorno(54,800円)に近いレベルの音質になって欲しいと思います。

安くて面白い、自作系オーディオにチャレンジ Vol.4

第1案は音工房ZのZ701-OMMF4に似た構成です。

1本に8cmフルレンジユニットを2つ使った、バーチカルツインのバックロードバスレフです。

机に座って23~27インチ程度の液晶モニターを使うとすると、耳の高さがだいたい45~50cmぐらいに来るのではないかなと思います。
なので、この位置にツイーター(スーパーツイーター)が来るようにレイアウトしてみました。

安くて面白い、自作系オーディオにチャレンジ Vol.4

置き場所を最小化するため、8cmユニットを積むのにギリギリの横幅にしています。

安くて面白い、自作系オーディオにチャレンジ Vol.4

エンクロージャーを上から見ると”L字”のカタチをしており、エンクロージャーの容量をかせいで余裕のある低音を出そうとしています。

安くて面白い、自作系オーディオにチャレンジ Vol.4

第2案は、L字型ではなく、T型でもいいかなと思いました。
Type-Aは2つの箱を合わせたようなエンクロージャーで、Type-Bはなだらかなカーブを持たせています。

まあ、素人がType-Bのような湾曲したカーブのエンクロージャーを作るのは難しいでしょうね。

安くて面白い、自作系オーディオにチャレンジ Vol.4

案3はT字型、L字型にしないシンプルな四角形のエンクロージャー。
もしエンクロージャーの容量をかせがなくても充分な低音が確保できるのであれば、無理にT型やL型に変形させなくても良いと思います。

もっとも、エンクロージャーサイズ、スピーカー内部のホーンの長さの設計や計算は、後で緻密に行う必要があります。
現段階ではあくまでも、イメージ作りとコンセプトだけを考えています。

安くて面白い、自作系オーディオにチャレンジ Vol.4

第4案はバスレフ型エンクロージャーで、フロントにスーパーツイーターとドームツイーターを搭載し、サイドに16cmサイズのウーファーを組み合わせてみました。

低音は「ほぼ」指向性が無いとされているので、高級ハイエンドスピーカーなどでもサイドにウーファーを配置させたモデルも珍しくありません。

ソナス・ファベール「The Sonus faber(ザ・ソナス・ファベール)」ペア 23,000,000円(税別)

最近、躍進が目覚ましいイタリアのソナス・ファベール

この「The Sonus faber(ザ・ソナス・ファベール)」というフラッグシップモデルもサイドにウーファーを載せています。
ペアで2,300万円もする、超弩級のスピーカーです…。

また、スイスのBOENICKE Audio(ボーニック・オーディオ)のW5(ペア80万円)もサイドにウーファーを載せています。
BOENICKE Audio(ボーニック・オーディオ)のW5(ペア80万円)

BOSEのスピーカーなどでは、2.1chのシステムが多いですが、ツイーター領域と指向性の無いウーファーを分離させるのは、特に限られたスペースに置くデスクトップなどのスピーカーを考えるのであれば、理にかなっていると思います。

音工房Zの実験でもありますが、高音だけキレイに出すのであれば、ある程度、高品質のツイーターユニットを使えればわりと簡単な感じがします。

問題は中高域と低音の繋がり、ここがスピーカー作りの一番難しいポイントかなと思っています。

ただ、低音に指向性は無いと言いましたが、低音にもステレオ感はあるらしいです。

なので、中高域のツイーターと、ウーファー部分を分離させた2.1ch方式はあまりよろしくなく、ウーファー部も2chに分離させた、2.2chにさせたほうがいいみたいです。

安くて面白い、自作系オーディオにチャレンジ Vol.4

あとは、エンクロージャーの全幅の狭さと高さにこだわった、フルレンジ1発のバックロードホーン(バックロードホーンバスレフ)型にするか…。

どのタイプにしても、エンクロージャーサイズ、バックロードホーン型であればホーンの長さ、バスレフポートの計算など、やること盛りだくさんです。

安くて面白い、自作系オーディオにチャレンジ Vol.4

Fusion 360などの3D CADでデザインなどを試してみると同時に、VituixCADというソフトを使って、スピーカーのネットワークをシミュレートしてみたりしたいと思います。

安くて面白い、自作系オーディオにチャレンジ Vol.4

なんか相当難しくなってきたな…汗

というわけで、
・横幅が狭い
・ツイーターの高さは45cm程度
・とにかく安い
・とにかく音が良い
というPCオーディオ向けのデスクトップスピーカーを目指します…。

どうなるかわかりませんが、まだまだ続きます

あ、そうだ、2021年も「ひろぶろぐ」をよろしくお願いいたします。

安くて面白い、自作系オーディオにチャレンジ Vol.3

さて、前回の続きです。

音工房Zの試聴会に参加できる機会があったので、埼玉県草加市にある株式会社音工房Zの本社まで行ってきました。

視聴会には初めての参加で、ある意味、音工房Zの音にちゃんと触れる初めての機会でした。

正直、音工房Zと自作スピーカーについては、Webで読んで見てみる限り、まだ色々と疑問があったので「まずは自分の耳で聴いてみろ」ということで試聴会に参加したわけです。

音工房Zの本社は、東武鉄道伊勢崎線の草加駅から徒歩15分ほどの閑静な住宅街にあります。

3階建ての落ち着いた感じの建物ですね。音工房Z

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