カーインプレッション シトロエンC6 / CITOROEN C6

シトロエン C6
世界一優美なスタイリングと呼ばれる4ドアセダン。そのスタイリングとハイドロサスペンションで異次元の走りを体験させてくれる。

サイズ的にはメルセデス・ベンツ、BMW、Audiなどの競合車はあるものの、C6にライバルはいない。

「自動車評論家たちが絶賛すると売れない」というジンクス通り、2006-2007日本カー・オブ・ザ・イヤー「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、販売面では苦労しているし、リセールバリューも悪い、かなりのレア車だ。
本年中には、日本の在庫車が無くなり次第、販売終了するとのこと。

しかし、そういったことを一切忘れさせる魅力がこのクルマには存在する。

搭載されるエンジンは、オーソドックスなV型6気筒3,000cc。必要十分ではあるがややトルク不足を感じる。
トランスミッションは、アイシン製の6AT。シフトショックはほとんど感じない。

やはり特筆されるのは、シトロエン独自の電子制御スプリング&ダンピングシステムである「ハイドラクティブIIIプラス」。
走るホバークラフトの異名のごとく、まるで地を浮くように走り、コーナリング時もほとんどロールせずに曲がっていく。
しかし、18インチ扁平率45のタイヤでは、やはりコツコツとハーシュネス(突き上げ)が気になる。
メーカーオプションの17インチタイヤのほうがベターかと思う。

高速走行は長いホイールベースのお陰もあり、概ね安定して走行できる。
65km/hになると上昇する速度感知式可変リアスポイラーが高速走行の安定性に寄与しているのかもしれない。
ただ、このクルマに乗るとスピードが何km/hでるとか、そういうことは気にならなくなる。

一番ネガティブに感じたのが、ステアリングのフィーリング。
ステアリング・インフォメーションはゼロ。ステアリングが軽すぎて、クルマを運転しているという感覚がまるで無い。
長いホイールベースに、長いフロントオーバーハングで、取り回しもすこぶる悪い。

室内のクオリティは到る所に本革をあつらえた豪華なものだが、ダッシュボードはフランス車らしくプラスチッキーなもの。
ナビは、2005年製の古いカロッツェリアのナビを無理やり押しこんであり、操作はリモコンのみと操作性も悪い。

黒のレザーシートは、夏はヤケドをするぐらい熱くなり、冬は凍えるほど冷たくなる。
(もっとも、レザーシートの問題はシトロエンに限ったことではないが)
本当の高級車は、シート生地にウールなどを使うものだ。
本革では無いが、アルカンターラを使ったシートもいいと思う。

フランスの歴代大統領の公用車にもなっていることもあり、ショーファードリブンとしてもカッコいいのではないか?

個人的にはFFであり、取り回しの悪さが嫌いだが、スタイリングと乗り味がわかる大人ならいいチョイスだと思う。

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