HTPCで7.1chサラウンドにチャレンジ その1

HTPCとはHome Theater Personal Computerの略で、ホームシアター(映画用)を見るためのパソコン。
海外だと結構人気のある分野らしいが、日本ではなかなか需要が無いのかWikipediaにも項目が無い。

ホームシアターで5.1chサラウンド、6.1、7.1chサラウンドを組んでいる人や組みたい人の参考になれば幸いということで記録します。

まず、7.1chサラウンドの優位性については、吾輩はAVが好きであるにも書いたが、イラストが不評だったので、今回書き直しておさらいしてみる。

【5.1ch Surround】
5.1chサラウンドのスピーカー配置図

国際電気通信連合のITU-R BS.775-1という規格の、基本的な5.1chサラウンドの理想的スピーカー配置図
FL=Front Left(フロントレフト)
FC=Front Center(フロントセンター)
FR=Front Right(フロントライト)
SL=Surround Left(サラウンドレフト)
SR=Surround Right(サラウンドライト)
の5本のスピーカーと
SW=Sub Woofer(サブ ウーファー)
である。

これが、いわゆるDolby DigitalやDTSのサラウンド、5.1chの標準的なカタチ。
サブウーファー(スーパーウーファー)は、方向性が無いので設置の場所に自由度があるが、共振などの関係から設置部屋の環境やサブウーファーの性能によって設置場所を変える必要がある。


【6.1ch Surround】
6.1chサラウンドのスピーカー配置図

6.1chは5.1chに、
SC=Surround Center(サラウンドセンター)
をつけた形。
フロントのLR、サラウンドLRの配置場所が5.1ch時に比べて若干変わっているので注意。

【7.1ch Surround】
7.1chサラウンドのスピーカー配置図

7.1chサラウンドは、サラウンドセンターの代わりに、
LB=Left Back(レフトバック)
RB=Right Back(ライトバック)
を追加したもの。

それで、ボクが5.1chでは不十分で、7.1chに(最低でも6.1ch)にこだわる理由は、「音が前から後ろ」または「後ろから前」にキレイに流れるかどうかである。

映画で、「銃弾が前から来て、後ろに突き抜けるシーン」「飛行機が後方から飛んできて画面の向こうに飛んでいくようなシーン」があるが、5.1chだとこれがキレイに再生されない。

【5.1chサラウンドでの正面から真後ろに音が流れる場合】
5.1chサラウンドでの正面から真後ろに音が流れる場合

【7.1chサラウンドでの正面から真後ろに音が流れる場合】
7.1chサラウンドでの正面から真後ろに音が流れる場合

※オレンジが音の流れるイメージ。青矢印は音が出るスピーカーとその順序。
5.1chのサラウンドの場合は、時計でいうところの4時、8時の方向から音が出るので、真後ろに定位がしづらい。
それが7.1chになると、真後ろに定位しやすい。
6.1chでも十分だが、DolbyやDTSのフォーマットで7.1ch分の音が収録されているものもあるので、7.1chのほうがいいだろう。

世の中には8.1chや9.1ch、9.2chなどのサラウンド形式があるが、正直AV機器メーカーが勝手に作っているだけで、7.1chで必要十分だと思う。

SONYのバーチャルサラウンドヘッドフォンのMDR-DS7500の説明には、フロントハイトチャンネルを追加したことでより良くなっているという表現がしてあるが、
MDR-DS7500
7.1chにフロントハイトLRをつけた9.1chならまだしも、5.1chにフロントハイトチャンネルをつけた7.1chでは、はっきり言って劣化に近い。
上記の図ならば「従来のバーチャル7.1ch」のほうがマシだと思う。
まあ所詮バーチャルサラウンドヘッドフォンなので、謳い文句に近いですが、、、ね。

それに、フロントハイトをつけたDolby Pro LogicⅡzはあくまでもDolby Pro LogicⅡの拡張でありアナログのサラウンドなので、例え7.1ch分の実物スピーカーを配置しても擬似サラウンドのようなもので、Dolby DigitalやDTSのデジタルで完全に分離された音をデコードするわけではない。

フロントハイトLRがつけば高さの表現度はあがるだろうからフロントハイトを否定しないが、それはデジタルで記録されたものをデジタルで再生できてようやくまともに聞けると思うので、現状では不要と考える。

まともにデジタルでサラウンドをデコード再生できるフォーマットは、
5.1chならDolby Digital、DTS
6.1chならDolby Digital EX、DTS-ES
7.1chならDolby TrueHD、DTS-HD Master Audio
と覚えておけばいい。

正確にはDolby Digtal=5.1chでは無いし、Dolby TrueHD=7.1chでも無い。

標準的なDolby DigitalやDTSしかなかった時代(DVD)は、DTSのほうが音の圧縮率が低くて音が良かったが、Dolby TrueHD、DTS-HD Master Audioなどのロスレス(可逆型)圧縮が一般的になったので、DTSの優位性はほぼ無くなったと思う。
まあ、Blu-rayなどでは、DolbyだろうがDTSだろうが気にしなくても良くなったという感じ。

じゃあDolbyとDTSの大きな違いは何?と言われると、Dolby社はスピーカーの配置などを国際標準にのっとって、それに従ってフォーマットを作っている。

対して、DTSはスピーカーの配置はAV機器メーカーやユーザーに委ねる所が大きい。
DTSのサイトには7.1chの配置パターンが7種類も書いてある。

詳しくはこちらのDTS-HD Audioホワイト・ペーパー – Blu-ray ディスク/ HD DVD対応 DTS Audio コーディング・システム(PDF)を見てみると面白い。
パターン1はDolbyとほぼ同じだし、再生するソフトのほうもパターン1を想定しているだろうが。

さて、今回の題名はHTPCで7.1chサラウンドにチャレンジである。
7.1chの標準規格のようになっているDolby TrueHD、DTS-HD Master Audioは、実は光デジタルや同軸デジタル(S/PDIF)では出力できず、HDMI Ver1.3以上で出力する必要がある。

ここからがネック。
パソコンからHDMIで7.1chの音声をまともに出せるモノがほとんど見当たらない。

日本のパソコン業界で音の良いサウンドボードを出しているONKYOでさえ、光デジタル出力ができる製品はあるものの、HDMI出力の製品を作っていない。

また、HDMIは映像と音声を1本のケーブルでつなぐことができる便利なものと言えるが、1本のケーブルで映像と音を出すのだから、映像、音声のどちらも劣化するとも言われている。
二兎追うものは一兎も得ずというところか。

パソコンで7.1chを出力するのにこれほど苦労するとは思わなかった。

次回は、HTPCの具体的なスペックを書いていきます。
ではまた。

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