うちのパソコン環境は、DELLの27インチ4K HDRモニターに、コンパクトデスクトップPCのLenovo ThinkCentre M75q Tiny Gen2の組み合わせで使っている。
モニターの解像度は4K(3,840×2,160ドット)だけど、Windows10のスケーリングは150%と設定しているので、実際に表示されている情報量はWQHD(2,560×1,440ドット)相当。
27インチでWQHD(相当)というのは画面サイズと解像度のバランスが割と良い反面、4Kの解像度を100%使い切っていないとも言える。
まあ、これは仕方ないことなんだけど。
もう少し画面が広ければ使いやすいなぁ…と、デュアルモニター化を考えてみた。
ただ、設置場所とスピーカーとの位置の関係上、同じ27インチの4Kモニターを並列に並べたデュアルディスプレイはNGだし、21.5インチや23インチフルHDモニターを使った2画面化も考えてない。
まあ、21.5インチモニターを縦置きにしたらどうでしょ?とも思ったのだけど、意外と圧迫感がありそうだからNGに。
となると、最近流行りのモバイルモニターを使うのが良いかなっと。
ただ、本当にデュアルモニターを使って便利かどうかわからないので、まずは手元にあるiPad Pro 12.9を使って実験してみた。
iPadアプリでduetという有料版(1,220円)のモニターアプリを使うと、iPadがパソコンのサブモニターとして使える。
ちょっと高いアプリだから買うのを躊躇したけど、普通にモニターを買うよりは全然安いので良いってことにしてポチった。
WindowsとiPadの両方にアプリを入れるだけで使い方は簡単。
あとは、パソコンとiPad ProをLightningケーブルで接続するだけ。
12.9インチのiPad Proの場合、解像度は2,048×1,536ドット。
Dot by Dotで表示されるので、文字のにじみなどは無し。
ただ、発色数が少ないようで、お世辞にも綺麗!最高!とは言えない。
せっかく高性能なiPad Proの液晶を使っているのに、ちょっと勿体無いね。
まあ、タッチパネルが使えるので、マウスが無くても画面操作が可能なのは嬉しい。
最大の難点は遅延が気になることで、動画の閲覧やキーボードでの文字入力はまだマシなのだけど、マウスで操作するのはかなり辛い。
あと、PCが画面ロックやスリープ状態になった時にWindows側のDuetアプリとの接続が切れてしまう。
この場合、通常のHDMI/Displayportで接続された液晶モニターでWindows版のDuetアプリの再起動をしなくてはならない。
この作業が地味に結構面倒くさい。
デュアルモニターの実用性はわかったけど、ちゃんと使うのであれば、やはりちゃんとしたモバイルモニターが居るな…という結論に。
モバイルモニターの画面サイズは13.3インチまたは15.6インチ程度を希望。
12.5インチだと小さい気もするし、17.3インチだと大きすぎる。
解像度はフルHD(1,920×1,080)以上を希望。
4Kは綺麗なのはいいけど、結構処理が重くてPCへの負担がかかるので、15.6インチ以下ならフルHDでも良いかなと。
さっそく価格.com、PC Watchなどで調べてみたけど、ASUSやLenovoなどのPCメーカーはノートPCゆずりの品質を持っていて良さそうな反面、3万円程度からと結構値段が高い。
では、Amazonで調べてみると、今度はメーカーも素性もわからない中華モバイルモニターのオンパレード。
13.3インチのフルHDモニターだと、だいたい12,000~18,000円ぐらい。
確かに安いのだけど、品質にも、アフターフォローにも不安を覚える。
どこかに安くてまともなモニターが無いかなーと思って見つけたのが、リンクスインターナショナルのフリーアングル15.6インチ モバイルモニター LKM-156FA。
値段は22,800円程度。
秋葉原などのショップには展示機がなかったが、今回リンクスインターナショナルよりレビュー用の評価機を借りることができた。
実際の自分の環境で2週間たっぷり使ってみた感想をまとめてみた。
LKM-156FAは15.6インチの標準的といえるスペックのモバイルモニターで、
・1920×1080(フルHD)対応、IPS非光沢パネル
・USB Type-CおよびMini HDMI接続対応
と、自分が求める要件を満たしている。
そして、気に入ったポイントが
・0~85°でベストな角度調節ができる無段階チルト
ができるところ。
多くのモバイルモニターはiPadの折りたたみ式のフタのような3段階程度の調整となっていたり、モニター裏に不安定なスタンドがついていたりと、思い通りに角度調整ができない。
その点LKM-156FAは、一般的なノートパソコンの画面のように無段階で自由に角度を決められる。
こういうタイプだと安定して設置できるし、ノートパソコンと全く同じ角度に合わせて使うことも可能。
LKM-156FAは
・バッテリー非搭載
・タッチパネル非対応
となっているが、デスクトップパソコンやノートパソコンのモニターとして割り切って使うのであればシンプルな構成で良いと思う。
※パソコンから電源が供給できる前提
液晶パネルはIPS方式のアンチグレア非光沢タイプ。
光の影響を受けづらく、文章なども見やすい。
IPS方式で、恐らくスペック上は視野角178°ぐらいかとは思うが、実際はiPadほどの視野角は持っていない。
15.6インチでフルHD(1,920×1,080)ということは、画面の細かさは141ppiとなる。
4K液晶の息を呑むような美しさではないけど、普通に綺麗で実用的。
15.6インチのフルHDであれば、Windows10のスケーリングは100%でも無理なく利用ができる。
液晶画面のスペックは
最大輝度 250 cd/㎡
コントラスト比 1000:1
リフレッシュレート 60Hz
で、モバイルモニターとしてはごく普通の性能。
OLED(有機EL)のコントラスト比がだいたい100,000:1~1,000,000:1、
ミニLEDを使ったiPad Proは1,000,000:1
となっていて、これらと普通のIPS液晶パネルのLKM-156FAを比較するのはナンセンスで酷な話だけど、通常利用には全く不満がないレベル。
ということで、液晶の見やすさ、クオリティについては実用的で合格ラインにある。
本体はアルミっぽい合金。
メーカー名や型番の記載は無し。
Amazonで売っているモニターにありがちな、見たこともないメーカー名がデカデカと主張してくる製品は好みではないので、この辺のシンプルさはとても良い。
3辺狭額縁デザインでベゼル幅は約7mm。
ベゼルレスと言ってもいいレベル。
ベゼルが太いと一気に古臭く、安っぽく見えるが、LKM-156FAの見た目は現代的。
ちょっと残念なのは本体の正面と側面の結合部分にわずかなチリ(隙間)があったりする。
この辺は値段相応と言わざる得ないが、Apple製品ほどのクオリティを求めるのも間違いかなとも思う。
重量は約1,060gで、持ち運んで扱うにはちょっと重い。
ただ、持ち運び利用という視点では、よくあるモバイルモニターがカバー兼スタンドとなっていて持ち運びやすいのに対し、LKM-156FAは液晶がむき出しなので、持ち運び時にはかなり気を使いそう。
どちらかというと、机の上に常に置いて使う方のほうがあっているように思う。
HDMI入力はmini HDMIタイプ。
HDMIであれば、ほとんどの機器と接続できる。
ただ、HDMI入力する場合は、製品付属のACアダプタやPD電源にて給電する必要がある。
パソコンとの接続は、USB Type-Cケーブル1本での接続が可能。
USB Type-Cで映像出力と電源供給なパソコンであれば、ACアダプターは必要なく、ケーブル1本で給電と画面出力に対応。
これは思った以上にシンプルで、スッキリ使える。
・USB Type-Cケーブル (USB-C to USB-C)
・HDMI ケーブル (Mini HDMI to HDMI)
・給電用USBケーブル (USB-A to USB-C)
・給電用ACアダプタ (USB-A 5V/2A)
が付属しているので、ケーブルやACアダプタを別途買う必要がないところは嬉しいところ。
またUSB PDパススルー機能があるので、2つあるうちのもうひとつのUSB Type-Cに給電したい機器をつなげると充電することも可能。
右サイドにあるメニューボタンを押すと、カニのマークでお馴染みのRealtekのロゴが表示される。
ここではブライトネス、コントラスト、シャープネス、ガンマ値、色温度などが映像調整可能。
調整用のボタンもカチカチと小気味よく押せるタイプ。
中華モニターでは、ボタンを押すと戻ってこないようなクオリティのものも多いので、耐久性もありそうなボタンは高評価。
あと、スピーカーは非搭載。
HDMI経由で入力された音声は3.5mmイヤホンジャックからは出力できるが、個人的には無くてもいい。
まあ、モバイルモニター1台でSwitchやPS4などを繋いでゲームができる…というニーズは満たせないが、この辺は割り切りだろう。
保証期間が1年間あるのも嬉しいところ。
デザイン、品質、デザインのどれもバランス良く、セール時には20,000円程度で購入も可能。
デュアルディスプレイは、ちょっと導入が面倒という思う人も多いかもしれないが、実際はケーブル1本でパソコンと繋がり、複雑な設定も不要。
普段は立て掛けたりしてしまっておいて、使うときだけ接続して使うというスタイルも良いと思う。
結論としては、評価機を借りたものの、LKM-156FAは「買い」かなと思っている。
LKM-156FAは、特にテレワークでのパソコン環境をアップグレードしたい人にオススメのモニターだ。