安くて面白い、自作系オーディオにチャレンジ Vol.1

家に遊びに来た友人に、
Raspberry Pi Zeroを使ったAirPlay対応ネットワークプレイヤー
DigiFi 13号付録のUSB DAC搭載デジタルアンプ
・B&W LM-1というコンパクトサイズのスピーカー
を使った、比較的小さなオーディオシステムを聴いてもらいました。

彼は普通の人よりはオーディオや音楽に詳しいのですが、
「こんな小さなシステムで、こんなにいい音が出るんだ!? しかもUSBバスパワー!? 電源にモバイルバッテリーを使って、この音量とクオリティが出るとは!?」と、ビックリしていました。

まあ、「こんなにいい音」と言っても、オーディオマニアでは無い普通の人が良いな、と思うレベルであって、マニアには物足りないクオリティというのは百も承知です。

オーディオっていう世界は、上を見ればきりが無いし、100万円のプレイヤー、500万円のスピーカーっていうのも別に珍しくはありませんからね。

まさに沼です。

その時、
「そうだ、値段が高くて音が良いっていうのは当たり前だから、如何に値段を抑えつつ、どれだけ良い音が再生できるかやってみよう」
と思いました。

オーディオは大きく分けると
・プレイヤー
・アンプ
・スピーカー
の3つの機器に分類されます。

まずはプレイヤーから。

プレイヤーはレコードやテープなどのアナログ音源からCDのデジタル音源に変わって、現在ではSpotifyやAmazonMusicのようなストリーミングやダウンロードでのオンライン配信が多くなってきますよね。

楽曲ファイルとしては、CD(44.1KHz/16bit WAV)が誕生してから、音楽の質のレベルが相当向上し、オーディオ全体の底上げがされたと思います。

現在のハイレゾは96KHz/24bitなどが主流ですが、ハイレゾは「ちゃんとしたオーディオシステムで、ちゃんと聞かないと、CDとの差が分かりづらい程度のレベル」です。

128~320kbpsのMP3やCD(44.1KHz/16bit)

WAV/flac/MQA/DSF・DIFF(DSD)のハイレゾ音源(96kHz/24bit~|11.2MHz/1bitなど)
をちゃんと比べれば、そりゃもちろんハイレゾのほうが音が良いです。

しかし、1万円程度のBluetoothスピーカーや5万円程度のコンポで再生するオーディオシステムでは、CDとハイレゾの差は「ほぼ」わからないです。(断言)
あっても誤差の範囲ですね。

まあ、CD(44.1kHz/16bit)はそもそも聞くに堪えない不十分な規格という愛好家も居ますし、そもそも音楽をデジタル化した時点でダメというマニアもいます。

そういうマニアな方は、自分が納得できるシステムで聞いて、自分満足してもらえばいいと思います。

それで「Raspberry Pi Zeroを使ったAirPlay対応ネットワークプレイヤー」っていうのは1,000円ちょっとの製品ですが、FlacやMP3などの楽曲ファイルが入ったUSBストレージを再生できます。

同じくUSBストレージの楽曲再生ができる最高クラスの製品といえば、例えば「ESOTERICのNetwork DACのN-01XD」などですかね。

1,650,000円(税込)です。
16万5,000円ではないです。165万円です。
高い。

N-01XDにUSBメモリや外付けHDD/SSDなどの楽曲が保存されたメディアをUSB接続するだけで、相当クオリティの高い音を出力できます。

この製品は純粋なDACというよりはSACDトランスポート、パソコン、ネットワーク/NASなどと繋いで楽しむタイプですね。

このRaspberry Pi Zero(1,320円)にケース(682円)をつけたら2,002円なので、きりが良いので2,000円としましょう。

となるとRaspberry PiとESOTERIC Network DACとの値段の差は825倍!!笑
まあ、出力される音質に825倍の差は無いですね。

Raspberry PiとESOTERIC Network DAC、どちらも楽曲が保存されたUSBメモリを指して音楽を聴くことができますが、N-01XDのレベルを100点としたら、普通の人換算で、Raspberry Pi Zeroだと75点ぐらいは貰えると思います。
実験したことないけど。

では、次にアンプですね。

アンプは最近はデジタルアンプってのも多くなってきていますが、それでもアナログな部分が多いので、プレイヤーよりは値段と音質がまあまあ比例します。

DigiFi 13号付録のUSB DAC搭載デジタルアンプは実売1,500円で、ケースが800円なので合計2,300円です。

USB DACとデジタルアンプが一体型になっていて2,300円ですよ。
メチャメチャ安い。破格です。

ただ、いまはもう売っていないので、欲しくなっちゃった人はヤフオクかメルカリあたりで買ったら良いかと思います。

一方ハイエンドなアンプだと、例えば「ESOTERICのインテグレーテッドアンプ Grandioso F1」ぐらいが最高クラスとしましょう。

まあ、GrandiosoF1はインテグレーテッドアンプ=プリメインアンプなので、マニアな方からしてみれば、プリとパワーを分けないと話にならないとあるかもしれませんが、そういう方は…以下略…。

DigiFi 13号付録のUSB DAC搭載デジタルアンプは、文字通り「USB DACとデジタルアンプ」が一体化していますが、ESOTERICのN-01XDとESOTERIC Grandioso F1は「Nexwork DACとプリメインアンプが別々」という違いがありますね。

値段はGrandioso F1は253万円(税込)で、DigiFi 13号付録のUSB DAC搭載デジタルアンプが(1,500円)、ケース(800円)をつけても2,300円です。

253万円 vs 2,300円で、その差、1,100倍!!笑

ただ、DigiFi 13号付録のUSB DAC搭載デジタルアンプは、音質はともあれ、10W+10W(8Ω)の出力しかなので、パワーを求められるスピーカーを使うとなるとお話になりません。

しかし、10Wでもそれなりに音が出るスピーカーで、普段仕事中にBGMとして聞くぐらいの音量だとしたら…?

まあ、出力される音質に1,100倍の差は無いですね。

ちなみに、Grandioso F1の出力は30W + 30W(8Ω)だそうです。

オーディオという製品は「音量が大きいと、音が良く聴こえる」ということなので、隣人から文句が出ない、家庭で作業中に聴く音量レベルでチャレンジしてしてみます。

多分、Grandioso F1のレベルを100点としたら、普通の人換算で、DigiFi 13号付録のUSB DAC搭載デジタルアンプなら70点ぐらいの満足度はあると思います。
実験はして無くって、感覚的にだけど。

最後にスピーカー。
これはちょっと難しく厄介です。

結論から言うと、プレイヤー、アンプ、スピーカーの3つの中で一番音質の差が大きく出るのがスピーカーです。

音の良い高級スピーカーといえば、例えば、
・B&W (イギリス)
・FOCAL (フランス)
・JBL (アメリカ)
・DYNAUDIO (デンマーク)
・TANNOY (イギリス)
・TAD (日本)
あたりですが、好き嫌いの好みがあるとは言え、これらメーカーの音質に異論を唱えるひとは居ないはず。(特にハイエンドモデル)

スピーカーの世界は奥が深くて、自分のような素人が簡単に理解できないとは思うのですが、スピーカーの音質を決める要素を分解すると、
・エンクロージャー(箱)
・ユニット(振動板)
・ネットワーク(配線)
この3つが大きな要素となりそうです。

エンクロージャーについては、
・内容積
・バッフル面積(スピーカーのユニットのまわりの面積)
・エンクロージャー形状
・バスレフダクト定数
・吸音材
などが要素となってる感じ。(他にもあるかもしれないけど…)

そして、プレイヤー、アンプ、スピーカーの3つの中では、スピーカーが1番、進化や進歩が遅い…というか、原始的というか、進歩しづらいモノであるかなっと。

スピーカーの音質って、箱(エンクロージャー)の大きさと形状、ユニット、ネットワークの特性やクオリティだけで決まる訳ですよね。

40年前のスピーカーでもそれなりの設計と、ユニットやネットワークがそれなりのクオリティを保っているならば、現代でも充分通用するスピーカーである、ってことだと思います。

2020年の40年前と言えば1980年。

例えば映像で言うと、アナログハイビジョンのBSの実験放送の開始が1989年(平成元年)なので、40年前は誰もが誰も、4:3のアナログテレビ放送を観ていたわけです。

というか、1980年だとBS放送の試験放送すら始まっていないのです…。

地上アナログ放送をブラウン管で観ると…、今の4K放送、8K放送と比較にならないぐらい粗い映像ですよね。

この違いは、誰にでも一目瞭然にわかります。
まあ、白黒とカラーの変化具合には負けますが…。

このように、映像はメチャメチャ進化しましたが、40年前と現代のハイエンドオーディオシステムを聴き比べても、そんなに変化は感じないかもしれません。

とは言え、例えばB&Wというメーカーは最先端の素材を使い、最新の研究開発を行っています。

エンクロージャーはもちろん、ユニットも自社で開発/生産している実力のある会社です。

B&Wの最新かつ最高級の800シリーズでは、ツイーターがアルミからダイヤモンドに進化、ウーファーがケブラーコーンからコンティニュアムコーンに替わっているわけですが、実際その音質は前モデルと比較してどれぐらい向上したのですかね?

評論で飯を食っているオーディオ評論家のレベルでは「全然違う」と言うと思うのですが、それって一般人が聴いてみてマクドナルドとモスバーガーぐらいの違いがありますかね?

まあ、自分はB&Wのスピーカーは好きですし、お金があればB&Wの最上位機スピーカーである800D3など欲しいなとは思いますが…。

さて、今回のこのBlogを書き始めたきっかけでもある、
「如何に値段を抑えて、どれだけ良い音が再生できるかやってみよう」
っていうことですが、市販の高級スピーカーは利用不可となるので、そうなると自作スピーカーになる…と結論がつきます。

ただ…

「ユニットを調達して作り上げる自作スピーカーなんて、どうあがいても、逆立ちしても、高級スピーカーに対抗できない。」

「自作スピーカーは、エンクロージャーもユニットも自社開発している高級メーカーに対抗できる「音質」ではない」

…と、自分も2年ぐらい前までは、信じて疑ってませんでした。

そして、自作スピーカーを色々調べると「長岡鉄男」という自作スピーカーの世界で第一人者がいらしたことがわかり(いまはもう故人ですが…)、最近だと「音工房Z」の自作スピーカーもなかなか評判が良さそうな会社だな、っと気になってきました。

ちょっと長くなってきたので、続きは次のBlogにしたいと思います。

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