世界の傑作品

1991年、ワールドフォトプレスは、通巻200号記念 超A級の完全保存版
この一冊で20世紀のモノのすべてがわかる世界の傑作品 時代を語り続けたモノ文化の総決算!
という、全512ページのモノ・マガジン特大号を発行した。

金とモノで溢れたバブル期の最後を象徴するような本であった。

その発行から約20年たった現在、 テクノロジーの発達と共に消えてしまった商品やメーカー、形を変えて生き残っている商品、現代も変わらず売られている商品など、様々である。

当時の商品の価値や価格と、現代の商品、当時の広告をみて、その違いを比べていきたい。


以下引用

これは20世紀の人々がもっとも感動した
410の傑作品のストーリーである。

世界の傑作品

たとえばロレックスの腕時計やジッポーのライターなど、あなたはその製品のどこに
惚れるのだろうか。機能?デザイン?それとも値段や社会的価値のなのか。
確かにモノの表層的な要素は「欲しい」という人間の欲求に直接訴えかけてくるものであるのだが、
それを手に入れてから生まれてくる「モノに対する情愛の念」は、そのモノを使い込んだ経験や感覚、
そしてモノの裏側にあるさまざまなストーリーから生まれてくるものだ。
いわば形而上的機能ともいうべきものが、人間がモノに惚れるための条件なのである。

傑作品としての条件
・機能する道具であることが、その第一条件である
・価格とネームバリューだけがその条件ではない
・傑作品は道具であると同時に時代の文化を語るものだ
・身近な生活の道具であることも傑作品の条件である
・傑作品に流行はない、それは生活文化の反映だからだ
・デザインされていることもまた、傑作品の必須要素である
・愛すべき要素が発見できなければその魅力は半減する
・傑作品は人間の五体、五感すべての延長線上にあるべきものだ
文・土居輝彦(モノ・マガジン編集長)

今井今朝春、「世界の傑作品」、モノ・マガジン、第10巻第20号(通巻200号)、1992年10月2日、17-21ページ

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